何あげればいいか、全然分からん。けど、何か…奈美が喜んでくれるモンがいい…。

ガラッ────…
『あれ? 純急いでどこいくん?』
「ちょっとな!」
俺は、目的地も分からんまま走った。ただ、何かをしなあかんと思ったから…。

「いった!」
まだ、腕が折れてるから痛みが走るのを邪魔する。

でも、俺は約束は守る男やから…。
奈美に、誕生日プレゼントを渡すっていう…
ん?約束?


「約束っっ!!」




俺は、一番大事な約束を忘れてた。試合に勝つとか、テストの点数抜かすとか、そんなんじゃなくて。

何て言うか…俺と奈美とのいっっちばん初めの約束───…

「奈美、覚えてるかな…。」

俺は、奈美の家に行こうと走った。プレゼントを用意して…。
「あれ?」
『あの子ねぇ、なんか病院行くー言うてたよ? 純くんに会いに行ったんやと思てたけど、違ったん?』
「あっ ありがとう!」



何やねん…
病院行ったんか…

会いたかったんやろ?
俺に…


俺は奈美にめっちゃ会いたい。