や、だからさ。あたしはこの人に興味なんかないんだって。
そんなことを思いながらため息をつくと、真実さんと入れ替わるようにして亜紀たちが近づいてきた。
「あたし、ついでにノートとか見てくけど……メイはどうする?」
「どうするも何も、この人しだいなんだけど」
そう言ってレジの中に立つ里村葉を行儀悪く指差す。
でも彼はそれに怒ることもなく、亜紀に向かってにっこりと笑いかけた。
「用が済んだらすぐに返すよ」
「あたしは用なんてありませんけど。ていうか人を物扱いしないでよね」
「それは失敬」
にや、と人の悪い笑顔を浮かべる里村葉。子供みたいな顔しちゃってさ。絶対こっちが本性でしょ。
だけど亜紀の角度からは見えなかったみたいで、彼女は里村葉の横顔をうっとり見上げてからあたしに手を振った。
そんなことを思いながらため息をつくと、真実さんと入れ替わるようにして亜紀たちが近づいてきた。
「あたし、ついでにノートとか見てくけど……メイはどうする?」
「どうするも何も、この人しだいなんだけど」
そう言ってレジの中に立つ里村葉を行儀悪く指差す。
でも彼はそれに怒ることもなく、亜紀に向かってにっこりと笑いかけた。
「用が済んだらすぐに返すよ」
「あたしは用なんてありませんけど。ていうか人を物扱いしないでよね」
「それは失敬」
にや、と人の悪い笑顔を浮かべる里村葉。子供みたいな顔しちゃってさ。絶対こっちが本性でしょ。
だけど亜紀の角度からは見えなかったみたいで、彼女は里村葉の横顔をうっとり見上げてからあたしに手を振った。
