私の彼氏の名は、結城 真人。

歳は私と一緒で18歳。
身長は185cmという長身。
趣味は作詞作曲。
特技はサーフィン。
勉強もそこそこ出来るし、
運動神経も並の上、いやそれ以上。

そして、歌手という素晴らしい夢を叶え続けている彼。
とにかくダメな所がないという、完璧男。

こんな彼を私は独占してる。
何とも贅沢ではないか。
周りの友達だって羨ましいに違いない。


しかし、現実はそうじゃなかった。
今日の放課後での夏実と同様、
他の友達や同級生に心配されていた。

そりゃあ、私だって自覚はしてる。
ネット上の彼とは絶対に手は繋げないし、
キスもエッチも出来ない。

あ、メールはチャット相手にやって貰ってるのだ。
まぁ相手が本当に男子かどうかは分かんないけど。


「どうして私って、
 普通の恋が出来ないんだろ・・・。」


学校は共学だし、
カッコイイと思う男子もそこそこいる。
なのに私はいつも真人と比べてしまうから、
告白も出来ないのである。

あ、された事もないんだよね。
皆こういう性格って分かってるからかな?
まぁ私に告白するんなら、
夏実はその倍の男子に告白されてるだろうね。

あーぁ。
どうして私って、こういう性格なんだろう。
そもそもいつからだったけ?

あぁ。
私が初めて小説を書いた時だ。
なかなか良い告白シーンが
思い付かなかったから、
自分の理想の男子をイメージした。
それが真人だった。

そしてそれがあまりに良すぎて、
いつの間にか現実と比べたんだ。


「この際、
 真人が実際にいたら解決するんだけどなー。」


でもそんな都合の良い事が起きる訳がないんだよ。
良いさ。
私は私の恋愛をするだけなんだから。


「負けないぞー、おー!」


軽く自分に喝を入れたみた。
そしたらちょっとだけ気分がすっきりしてきた。