*菜摘*
もう、逃げるしかここを離れる方法はない。
「…菜摘、行くぞ。」
そう言って、ぁたしの腕を掴み、引っ張る遥斗。
一そして、つながれた手。
こんなささいなことに、ドキドキしてるぁたしがいる。
…ぁたし達はすぐに上から飛び降り、屋上のドアから出て逃げた。
「待てー!逃げんな!」
って、後ろから陽呂が叫んでたけど、そんなの無視。
こっちは、逃げることで精一杯なんだよー!
だだだだだー!
それでも、追いかけてくるクラスメイト達。
あたしと遥斗は必死に逃げた。…遥斗に手を握られながら………。
『はぁ、…はぁ。つ、疲れたぁ〜!』
「…まったくだ。…ったく、あいつら…しつこすぎ」
ぁたしと遥斗は、自慢の足でみんなを上手くまいた。
そして、今は理科室。逃げこむところを探してたら、遥斗が急に手を引っ張るからびっくりした。
…それで逃げこんだ場所が理科室ってわけ。
『ね、これからどうするの??』
「…しばらくはここにいた方がいいだろ。まぁ、あと30分くらいだし。」
『そうだね。ここなら大丈夫でしょ!』

