「──よしっ!メイクもバッチリ。何事も最初が肝心だよね!」





今日からあたしが通う古柳工業高等学校…通称・古工は5つの学科があって、その学科ごとにクラス分けされる。



1学科1クラスだから、入学から卒業までの3年間ずーっと同じクラス。



つまり、初日から如何に上手くクラスに解け込むかが重要なのよ!女子なんてすぐグループ作る人種なんだから!




「それにしても静かな朝だなぁ。1人の朝も清々しくてなかなか……」




いつもの朝は騒々しくて仕方がない。ジリリリリという耳が痛いくらいの目覚まし時計の音だけでは起きられないあたしを、お母さんが布団を引き剥がして腕を引っ張りベッドから引きずり降ろす。



酷いときには躊躇無く平手打ちだ。




…と、ぼんやりといつもの朝の風景を思い返していた時───



あたしは恐ろしいことに気付いてしまった。