「あ、あはは…。ですよねー、失敗失敗!」

「ノータリン。」







今 な ん て ?






ノータリン?



何それ、どういう意味?


脳足りん?
能足りん?




どっちにしろ褒め言葉じゃない。





予想外の暴言にポカンと口を開けているあたしをよそに、その美少女は横をすり抜けて階段を上って行く。




「ちょ、ちょっと!ノータリンって…」

「ちゃんと片しとけよ、このタコ」





はい、暴言決定。






でも、悔しいけどあたしの落ち度に変わりはない。ここはあたしが大人になろうじゃないか。



相手も面白くなかっただろう。





ご自慢の小綺麗な顔に段ボール被せられたんだからさ。へッ。





「隣への挨拶は……明日でいいや」





なんとも微妙なスタートダッシュだけど、こうしてあたしの新生活は始まりました。




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