「…悪いけど、修太が腹痛いみたいだから帰るな。金は俺らで払っとくから」
「えっ…いいよ、割り勘で…」
「いいのいいの!寧ろ払わせて!」
ミケと女の子達との会話に口を挟むあたし。払わせて下さい、それで今日のことは無かったことに。
あたし達は半ば無理矢理精算を済ませて店を出た。これ以上無いくらい気疲れしたよ…。
「…はー……疲れた」
「「こっちの台詞だ」」
ミケと大神くん2人に睨まれたら“ですよね”としか返せない。
なんでそれ程までの迫力があるのか。
そしてなんで猿岡はさっきから一言も口を聞かないのか。
「なによー。ホントにキスしたワケじゃないのに…」
「そういう問題じゃねーっつーの!」
「解りやすく照れちゃってさ、猿岡のくせに!自分のキャラ考えなさいよね!」
「なっ…照れてねーし!照れてねーよ!」
猿岡曰わく、あたしは男心が解ってないらしい。
そんなこんなで今日の合コンは、誰1人の恋の花も芽吹かずに終了した。
「…ホント、解ってねー…」
「猿岡、まだ根に持ってんの?置いてくよ?」
「弄んどいて放置かよ!」
「人聞き悪いこと言ってんじゃないわよ!」
……多分、誰1人の恋の花も芽吹かずに…
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