アスファルトに咲け!




なんでアンタが当たっちゃうのか。しかもいつになく苦笑いで困ったようにしてるのがムカつく。アンタよりあたしの方が何万倍も困ってるわよ!



「えっ?リオくんと修太くんなの?」

「「「きゃーっ」」」




命令の矛先があたし達だと早々に気付いたお嬢様方。嬉しそうな歓声が響きますが“きゃーっ”はこっちの台詞です。


叫びたいです。心から。



すると、未だ固まったままのあたしを見かねたのか猿岡が意外なことを言い出した。




「あー……悪いんだけどさ、他の命令じゃダメ?」




この一言には女の子達は勿論、ミケや大神くんも驚いた表情。


本来ならこういうことにはノリノリであろう猿岡が断ってくれるなんて…コイツも気遣いというものを覚えたのであろうか。



「いくら俺でもファーストキス貰うのは気が引けるって言うかさぁ…そこまで責任持てないって言うか」

「お前、歯ァ食いしばれ!!」




感動しかけたけどアンタはいつもと変わらずデリカシーの無い男だよ!なんでまだキスしたことないって解ってんだチクショー!