「………ミケ。」
「「「………」」」
ミケさん。どうやら相当面倒臭い様子。相当発言したくない様子。本名6文字よりたいして気に入ってもいない可愛らしいあだ名2文字を選びました。
本名明かさないってスパイか貴様。
すかさずフォローを入れる猿岡。
「…あ…あははッ。いや、コイツ人見知りでさ。三宅 静紀ってーの。仲良くしてやって」
ぎこちないながらも和やかな空気を取り戻しつつあるのは猿岡マジックでしょうか。女の子の顔にも笑顔が戻ります。
「…で、俺が猿岡 修太でこっちが小町 梨……もがッ!?」
あたしの名前を言い終わる前に慌てて猿岡の口を手で覆い塞いだ。そして耳打ちするようにコソコソと話す。
「アンタ馬鹿じゃないの!?いつから“男装少女を辱めようの会”になったわけ!?名前そのまま言ってどうすんのよ!」
「…わ、わり。忘れてた」
なんとも無責任な発言に苛立ったあたしはミケと同じく思いっきり猿岡の足を踏みつけながら女の子達に向き直る。
「小町…えーっと…、リ…リオです」
場を取り繕うように笑いかけると、なんとか誤魔化せたようだった。
