大神くんに宥められ慌てて口を塞ぐ。そうだ、今あたし男装してたんだった。
「大神くん、あたしちゃんと男に見える?」
「…マジでそのままのカッコで行くのかよ」
「とーぜん!梨世がせっかくここまでしてくれたんだからさぁ」
大神くんの問いに答える前に猿岡が口を挟んだ。さっきからヤケに楽しそうだからマジでブン殴りたい。
「実際、修太を一番甘やかしてんのってお前だよな」
「…うっ」
「言えてるな」
「おっ、大神くんまでミケの毒舌が伝染った!」
「なッ!そんな酷いこと言ってないだろ!?」
「否 定 な し か」
「「…あ。」」
あたしと大神くんがミケに平謝りしているうちに猿岡は暁女のレディー達にメールしているようだ。暫くして猿岡の携帯から受信音が鳴るとあたし達3人に、それはもうウキウキわくわくといった感じで向き直る。
それを見た瞬間初めて3人の心が1つになったのを感じた。
蹴 り 飛 ば し て ぇ 。
「行くぞお前ら!皆もう着いてるってよ!」
ヒラヒラと手招きしながら店に入って行く様子を心底ウザそうに眺めながらぞろぞろと後に続く。
