一緒に逃げるだけじゃなく、万が一見つかってもあたしに危害が加えられないように自分の陰に隠すようにしてくれた。
あたしがお礼を言うと大神くんは無意識に腕を掴んでいたらしく、物凄い勢いであたしの腕から手を離したかと思うと真っ赤になって顔を背けてしまった。
「…大神く…」
「わっ、わりィ…!無我夢中だったっつーか…ホント無意識で……別に馴れ馴れしく触るつもりじゃなかったんだけど…」
「………。」
感 動 し た 。
ここに越して来てからというものミケにはタコ呼ばわりされ猿岡には妙に懐かれ先生には召使いのように扱われる日々。
こんな風に女の子として扱われたのは初めてかも知れない。
「気にすることないのよ青少年!可愛い反応をありがとう!」
「…お前マジで同い年か?」
「ど う い う 意 味 ?」
「ばっ…!近ェんだよ!」
オゥ!純情ボーイ!!
猿岡なんて逆立ちしたってこんな反応出来ません。
顔は不良なのに性格はウブだなんてあたしの心臓鷲掴みです。
