「なんで学校来ないの?」
「…関係ねぇだろ」
「銀 髪 の 悪 魔 だから?」
「ダ ッ サ 。」
お い 猿 岡 。
ダサイ通り名持ってる奴にダサイって言われたんだけどどうしてくれんのよ。あたしの人生最大の汚点になりそう。
どうやら本人の知らないところで噂が一人歩きしてるらしい。
あたしはさっきのダサイ通り名が彼のものであること。それを皆が恐れていることを話して聞かせた。
「俺は自分から喧嘩売ったことも殴りかかったこともねェよ…切り抜ける隙を突くのに手ェ出すことはあるけどな」
「なんでそんな噂が流れちゃうくらい喧嘩三昧の生活してるわけ?」
「目付き悪いからな…絡まれやすいんだ。こればっかりは生まれつきだから直しようがねぇし」
そう言って困ったように軽く頭を掻きながら溜め息を吐く姿はどう見たって普通の男子。怖がられるような要素なんて何一つ見当たらない。寧ろ実は優しい人だと思う。
「そう言えば、ありがと」
「あ?」
「あたしが巻き込まれないように連れて逃げてくれたんだよね?」
