「…お、…」
「大神ィ!!テメー何逃げてやがんだコラぁ!!」
「…!?」
彼が走って来た方から数人の足音と怒鳴り声が響いてくる。
なになに?喧嘩ですか?
まさか、あたしまで巻き込まれたりしますか?
どうしていいか解らず突っ立っていると、不意に腕を引っ張られた。
「ぎゃッ!な、何すんの!?」
「いいからさっさと走れ!殴られたいのか!?」
「それはどっちに!?」
コイツに殴られてしまうのか追い掛けて来る奴らに殴られてしまうのかはたまたどっちもか。
とにかくあたしは腕を引かれるままに走った。
助けを呼ぼうとポケットにある携帯に手を伸ばそうとしたけど考えてみればメモリーに入ってる連絡先は全部地元の友達や家族のもの。
呼んだところですぐに駆けつけてもらえるはずがない。
「どこまで連れてくのよぉぉお!!」
「…うっせー女だな」
ミ ケ 2 号 ?
衝突されるし卵は割れるし走らせられるし…
厄日だわ…。
