──少しだけ気になったものの、会ったこともないクラスメートへの興味なんてすぐに薄れたあたしは今日の授業を順調にこなして放課後を迎えた。
「梨世、帰りどっか寄ってかねー?」
「ゴメン、あたし今日スーパー寄るから。卵が安いの」
猿岡に遊びに誘われたけど、広告に載っていた近所のスーパーの特売の方が気になったので謝りつつお断り。
「お前に買われる食材も可哀想だな」
「ミケ。過剰な暴言は全て愛情表現と受け取るからね」
「…間違った。可哀想なのは売る相手選べない農家の人か」
「ミケ。 襲 う わ よ」
ミケの毒舌攻撃はスルー出来ないあたし。応戦したけど勝てるわけもなくモヤモヤした気持ちを振り払うために腹に一発決めてやりました。
猿 岡 の 腹 に 。
「…ッ!?何すんだよ梨世!」
「猿岡の教育が悪いからミケがこうなっちゃったんでしょ!」
「俺、保護者!?」
「本物の保護者に文句付けられるわけないじゃない!!」
本物の保護者はあたしに住処を提供してくれている大家夫妻なわけだから。
