しかし、先生の答えはあたしの脳を再び困惑へと誘った。
「知らね。」
んなアホな。
「ちょっと 柴 ケ ン 。」
「いらねーあだ名つけんな」
だって担任にあるまじき言葉だったんだもん。自分のクラスの生徒の欠席理由を知らないなんて。
確信しました。この人が担任だなんて悪い夢です。こんな人にあたしの高校生活は任せられません。
「誰か!ホントの担任の先生を呼んで下さい!!」
「…るせェ女だな」
「ここで入って来るわけ!?だったらさっきの重苦しい雰囲気の時に助けて欲しかったんだけど!」
隣で騒ぐあたしに不機嫌顔のミケ。さっきは皆と一緒になって黙りこくってたくせに…!
…ってそれはミケのキャラか。
あたしが盛大に溜め息を吐いた時、後ろの席に座る猿岡にポンポンと肩を叩かれた。
疲れ果ててるあたしがゆっくりと振り向くと、“もっと寄れ”と手招きしてくる猿岡の表情は何時になく強張っている。
あたしは耳を傾けるように顔を寄せた。
