一ヶ月経って、あたしには色町での過ごし方がそれなりに備わって来ていた。


本格的に水商売をするということに、お母さんは異常なくらいの怒りを見せた。


でも、あたしは色町を去る事なんて微塵も考えられない。


女将は最初の頃よりも優しくなり、店の事やお客のこと、自分の店にたいするこだわりなどを聞かせてくれる。


それに比例して、あたしを指名してくれるお客も増えてきた。


仁志さんも毎日来てくれる。