あたしの廓-花魁道中-

電話番号と店の住所を書いた紙を渡し、女性は一方的に帰っていった。

「今日…から…」

家に帰ると最愛の娘が出迎えてくれる。

本当は、この幸せがあればいいのだ。

本当は…

「奏香、お母さんね、今日からお仕事もうひとつ増えるから…お母さんのお友達の家に行きなさいね」

そう告げている自分がいた。