ある日を境に、恋人は帰って来なくなった。

毎日帰ってきていたものが、二日に一回、三日に一回と家に帰ってくる回数が減りだしたのだ。

何故かはわかっていた。

分かっていたけど黙っていた。

ただ黙って、ひたすら待ち続けていた。

『必ず戻ってきてくれる、あの人の心は自分にある』

そう頑なに信じて。