今まで感じたことのない種類の『怒』と『悔』は止まる事を知らず、一瞬、一瞬で増していく。

「百合、こっちに来なさい」

突然女将が帰ってきて、あたしを呼び付けた。

入口から顔を覗かせると、男が二人立っている。

「今日からの新人さんだよ、よろしく頼むね」

男二人に女将があたしを紹介すると、男はあたしを眺めながら頷き、にこりと微笑んだ。

「えらい若いね、この子」

体が大柄で、少し柄の悪そうな人。