「…スナック…」
「は!?スナック!?」

期待通りのリアクションである。

「えりなに頼まれて、今日だけね」

きょとんとした顔のお母さんに出来るだけ笑顔を作った。

「嫌やって言ったんやで?やけどさ、えりなの頼みやから断れやんで…」
「ええんやない?お金ないんやし」
「はい?」

想像外だった。

「麻珠にもお金かかるし、あんたがいいなら行きなさい。」

そう言うと背中を向けて夕飯作りにとりかかっていった。

心配していたほどでも無かったけれど、難関を突破したと実感すればするほど仕事自体が心配になってきた。