「香月がおらなあ麻珠、今おれへんで。」

居間にコロンとねっころがっている麻珠を抱き上げて、出来るだけ穏やかに反論。

ここまできても、あたしは香月を庇ってしまう。

むしろ、これから先の道程で、あたしが香月を蔑むことを出来るかどうかの方が微妙。

好きではないけど、未練がある自分に気付く。

「また言い返す!」

くどくどと説教を垂れるお母さんが、あたしにどうしてほしいのか分からなかった。

離婚するなんて自分でも予想外だったのだから、いつまでも文句言ったって仕方ないのに。