そんな思い出に浸っていると、手に持っていたカレーパンが半分以下にまで小さくなっていた。
菜乃波の方を見ると、まるで漫画のオチみたいに、口元にカレールーが付いている。
「菜乃波~!あたしのカレーパン食べたでしょ!?」
「あはッ☆だって、桃夏全然食べないから、いらないのかと…」
「いるよ!!もう~…お腹空いちゃうじゃん!」
笑顔で応える菜乃波に、あたしは膨れっ面で対抗する。
「も~分かったから♪
じゃあ今日、代官山にあるチョコフォンデュ奢ったげる!」
「本当~!!??ヤッタ♪」
まるで子供みたいに喜ぶあたしに、菜乃波はまた頭をポンポンしてきた。
