あたしが冷静にツッコんだのも、軽く笑ってかわした奏多は少し真剣な顔になってからあたしに顔を近づけてく。 あともう少しで…っていうキスまでの間が好きだ。 ほんとに軽いちょっとのキス。 こういうときだけいつもより大人っぽくなる奏多も唇が離れればまたもとに戻る。 「結婚してぇなぁー」 結婚したいって言ってるカップルほど別れるって書いてあった小説がそのとき頭を過った。 それを言おうと喉の方まで出てきたけど、せっかくの言葉を変なジンクスで否定したくなかった。