「俺たちもしないとなぁー…」
一応サインには気づく。
気づくけど、あたしは知ってる。
悲しいことにこれは口だけだと。
「ほんとだよ!」
そう考えるとちょっといらっとして言い方が強くなる。
「俺さ、ぶっちゃけさ、どうやってデートすれば良いのか分かんないんだよ。」
ヘタレ発言キタ。
「なんでよ?映画とか遊園地とかさ、色々あんじゃん!」
「あぁー」
「場所なんてどうだって良いんだよ…」
「じゃあ何?」
一緒にいることに意味があるんじゃん、って言おうとしたのをやめた。
鈍感。なんで分かんないんだよ…
「場所がどうでも良いならこうやって一緒に帰るので良くね?」
「なんでそうなるのよ!」
まるで女心が分かってない。
心の中で大きなため息をついた。
