「普通教師がランクインするか?」
オレの怒りは収まらん。
「何なんそれ、カツリョウが一位て」
「組織票なんだよ」
「組織票?」
「カツリョウ、あいつファンクラブ持ってるから」
「ファンクラブ?」
最後のほうのイントネーションは怒り満載。
しかも巻き舌気味で。
「ファンクラブっていまどきあんの?」
「カツリョウはブームなんだよね。
なんかあるたびにブームが起きる」
「なんかってなんやねん」
「体育祭で教師参加の競技でイケてたとかね」
「あのおっさん」
やることやってんな。
確かに顔はええ。
オレも自分に自信はあるけど、カツリョウはええ顔をしてる。
しかも話もめっちゃしやすい。
そらもてるか。
「で、さっきの愛ちゃんはどうなん?」
「どうって?」
「カツリョウファンクラブ入ってんの?」
正直そんな女は嫌や。
「それはないね、愛は現実派だから」
「現実派?」
「リアルに付き合えるイケメンしか探さない。
響はすでにターゲットになってるかもね」
小柴はそう言ってうなずく。
「信憑性は?」
「あるね、ちょい振り返ってみ?」
「へ?」
と振り返る。
心なしか、数人の女子がピクリと動きを止めたような気がする。


