ええねん



 将来のこと。

 サッカーのことはだいぶイメージができてきてる。



 けど。

 リョウとのことはわからへん。



 うちのおかあちゃんとおとうちゃんはそらリョウのことを気に入るやろう。

 むしろ、「うちのばか息子にはもったいないから別れて」くらい言いかねへん。

 逆に、リョウの親にはまだ会うたことはない。

 お手伝いさんには何度か会ったけども、だ。

 せやからオレみたいな男やったらあかんって一喝される可能性はあんねん。

 しかも、将来サッカーで食っていこうやなんて不安定なこと考えてる。

 そら大事な娘を託すには心配やろうけど。





 大事なのは。

 オレが一番大事にしたいんはリョウの気持ちや。

 オレの気持ちなんて二の次でええねん。

 そら正直な下半身をおさえるのはキツイけど、リョウと比べればおのずと答えは出てくる。

 それはなにもカツリョウに対する意地やない。
 
 もちろん、今田夏日に気を使うてるわけでもない。

 オレの気持ち。

 リョウに対するオレのほんまの気持ち。




 慎重になるのはかっこ悪いことかも知れへんけど、それでもええねん。

 誰かがオレのことを。

 かっこ悪い言うてもそれでええねん。

 オレはこの選択肢を間違ったとは思われへん。

 絶対に。

 せやから。