長い眠りから覚めたような気がした・・・。
気づけば其処は、暗い1人の世界だった

「何で俺はここに・・・?」

重い足を動かし前へ進める・・・。
いくら歩いても壁は見当たらない、試しに声を上げてみる。

「誰か居ないのかー!!?」

返答はない、そこには虚しく声だけが響く

歩いても意味がないと思い、そこで足を止める

「俺は一体・・・」
考え直してみた、ここにきた理由・・・。



「記憶・・・が、ない・・・」
そう、記憶がないのだ・・・。
自分の名前すらも

「俺は・・・俺は・・・」

「無駄だよ」

声が聞こえたほうに顔を上げた

目の前には少年が立っている
小学5,6年と言ったところだろう・・・。

でも何かおかしい・・・
さっきまでは人の気配などまったくしなかったのに

「君はショックによって記憶をなくしている」

は?何を言っているんだこの子は
呆れ混じれでそう思った

「今僕に呆れを感じたね?」
「えっ」