「………あの?」
なぜ2人が驚いているのか分からないレクスは、ただ尋ねる事しか出来なかった。
「……ぷ、あははははははっ!!」
霧兎が腹を抱えて笑いだした。
「こりゃあ驚きじゃな……ヒッヒヒヒ…」
ジアンスもいつもの様に不気味に笑う。
「……………。」
レクスが眉をしかめる。
「あはは……あ、あぁ…ごめん、ごめん。まさか君がそんな事言うとは思わなかったからさぁ〜」
「明日は大雨じゃな…ヒヒヒ」
「まったくですねぇ〜」
「……………。」
冗談を言い始めた霧兎とジアンスを、黙って睨み始めるレクス。
「……さて、冗談はさておき。レクスの質問に答えようか」
「…お願いします」
「君達が強くなるために必要なのは……」
霧兎がにへらと笑った。
「今は休む、それだけだよ」
「……それだけ、ですか…?」
「うん、それだけだよ」
「…ですが……」
「休んで気を落ち着かせる事。そうじゃなきゃ、いくら訓練をしたって意味ないからねぇ〜」
「……っ」
「休んで、落ち着いて、それから考えるのも…訓練するのもしっかりしよう…ね?レクス」
レクスは一度だけ、頷いた。
「……はい、団長…」
「そうと決まれば早く寝る!!10時間ぐらい寝ちゃいなさいっ」
「それはむしろ体に悪影響じゃよ……ヒヒヒ」
レクスは2人の声を背に受けながら、後でケルベロスの様子を見てから休もう…と考えつつ、オペレーター室を後にした。


