独眼狼ーワンアイウルフー




『ぐ…っ』
「…ケルベロスっ」
『大丈夫だ…、これくらい…まだ動ける……』


ケルベロスが体勢を崩さないよう、踏みとどまる。


『よく避けたな。……だが、お遊びは終わりだ』
「…な、に……?」
『貴様にはフェンリルを倒す事は出来ない。なぜなら、このフェンリルは―……』


そしてゼノスは、レクスを再び驚愕させる言葉を紡いだ。


『こいつは、貴様を…ケルベロスを倒すために造られた特殊型機械獣だ』


内心の焦りを感じさせない様に、レクスが呟く。


「………シンディウスにも特殊型が、居るのか…」
『シンディウス軍には特殊型が居ない、とでも思っていたのか?甘いな』


レクスの言葉を、ゼノスが鼻で笑う。


『今まで戦場に出していなかっただけだ。……特殊型がフェンリルだけ、などと思うなよ』
「……ちっ」


レクスは思わず、舌打ちを漏らした。