独眼狼ーワンアイウルフー




『くっ貴様ぁ!!』


声を張り上げ、最後に残っていたクロウが距離を詰め、爪をグリフォンに向かって振りおろす。

グリフォンはそれを器用に己の爪で受け流し、一旦距離をとる。

すぐに体勢を立て直すとクロウに近づき、翼を狙った。

グリフォンの爪をぎりぎりの所で防ぎ、クロウの操縦士が口を開く。


『そう簡単には、やらせんよ!!』
「だったら…!!」


コハクが呟くと同時に、鈍い音が空に響いた。

グリフォンがクロウに体当たりを仕掛けたのだ。


『ぬ、うぅっ!!』


予測もつかなかった行動に対応出来ず、クロウは吹き飛ばされた。

グリフォンは吹き飛ばしたクロウとの距離を詰め、斬撃を放つ。


『く、くそおぉおぉ!!』


クロウは自分に振り下ろされる爪に抵抗する事も出来ないまま、翼を失った。


『こんな…ところでえぇっ!!』


クロウの操縦士は悲痛な叫びをあげながら、谷間に消えていった。