離れようと、身じろぎをするケルベロスを見てケビィンが通信機に向かい声を張り上げた。 「今だ、コハクっ!!」 その言葉を待っていたかのように、グリフォンが空から急降下してくる。 ──…ケビィンは囮だったのだ。 ケルベロスの気をグリフォンから遠ざける為の。 グリフォンが狙うのは、ただ一点。 ジアンスから渡された資料に記されていた、ケルベロスの………… 『止まってぇえぇっ!!』 まだ試作機であるケルベロスに取りつけられた、緊急停止装置―……。