『分かりました』
「俺があいつに突っ込んで隙をつくる。…後は分かるな?」
『……無理しないでくださいね。奥さんとイルムが悲しみますよ』
コハクに言われ、ケビィンの脳裏に故郷に居る妻と基地で自分の帰りを待っているであろう息子の姿が浮かんだ。
大切な2人の為にも、死ぬ訳にはいかない。
覚悟を決めたケビィンは、下で吠え続けるケルベロスに狙いを定めた。
「まかせとけっ」
その一言を残し、アーマードベアはグリフォンの足から手を離した。
「うぉぉおぉおぉっ!!」
ケビィンが叫びながら、アーマードベアは重力に逆らう事なく落ちていく。
その間にアーマードベアは拳を握り、ケルベロスに向かって振り降ろす。
アーマードベアの動きを読み、後ろへ跳び退くケルベロス。
ケルベロスに当たらなかった拳が、カルテルの大地をえぐった。


