突然ケルベロスがアーマードベアに向かって跳びかかる。
それを予測したコハクはグリフォンを上空へと羽ばたかせ、ケルベロスの攻撃をとっさに回避する。
これ以上ケルベロスの攻撃が届かないであろう所まで高く飛び、コハクが口を開く。
『ケビィンさん、まさかケルベロスは……』
「……狂乱状態(バーサーク)か…やっかいだな」
ケビィンが舌打ちを漏らした。
…狂乱状態とは機械獣の暴走。
暴走すると動力部のリミッターが外れ、敵味方関係なく全てを破壊しようとする。
リミッターが外れ、長時間その状態が続けばいずれ動力部から内部破裂する。
操縦士が自我を失うか、機械獣と操縦士の精神同調が乱れるかにより狂乱状態が起こる。
……ケルベロスの操縦士を知らないケビィンとコハクには、どちらが原因で狂乱状態になったのか分からなかった。
「…コハク、あいつを止めるぞ」
ケビィンの言葉にコハクは頷く。


