「ちょっと待て!!ケルベロスは操縦士がまだ居ないはずだろ!!?」
『そんな事言われても知りませんよ!!でもジアンス博士から貰った資料とまったく同じじゃないですかっ!!』
2人はカルテルに向かう前、ジアンスから特殊型機械獣ケルベロスの資料を手渡されていたのだ。
その時の事を思い出したのか、頭を落ち着かせたケビィンはケルベロスの操縦士に向かって声をかけた。
「おいっケルベロスを乗ってる奴。お前は何処の所属だ?」
『………………。』
「聞こえてないのか!!?返事しやがれっ!!」
『………ディー…』
ほんの微かだが、ケルベロスから声が聞こえた。
その声は、少年の声だった。
「あ?なんて言―…」
『ぅあぁあぁぁああぁっ!!』
少年の叫び声と、ケルベロスの遠吠えが重なった。


