ジーンデーン共和国の機械獣には、緊急脱出装置が備わっている。
それは、機械獣が撃破される直前にコックピットだけを機械獣から切り離す装置。
運が良ければ、パイロットは軽傷だけで済むのだ。
『…分かりました、あたしは生存者の救出に行きます。…ケビィンさんは?』
「俺は特殊型の機械獣を……ん?」
突然ケビィンが言葉を止めた。
不信に思いコハクは問いかけた。
『…ケビィンさん、どうしたんですか…?』
「……なんか、聞こえなかったか?」
『?いや…何も……』
聞こえませんよ、と言いかけてコハクは口を閉じた。
…微かに、何かが聞こえたから。
『…ケビィンさん』
「……やっぱりコハクにも聞こえたか」
『何だろう……獣の遠吠え…?』
「あぁ。だが、それと違う声も聞きこえた」
『え…?』


