独眼狼ーワンアイウルフー




いつもとは違う様子のレクスを気にした霧兎が、声をかける。


「レクス?どうしたんだい…?」
「……………った」
「はぃ?」


近くにいる霧兎でさえ聞き取れない程、小声でレクスが何か呟いた。

霧兎が、もう少し大きな声で言ってよぉ〜と言うと…レクスはさっきよりもはっきりと、みんなに聞こえるように口を開いた。


「ルイが……クロンカントカンパニーの社長の娘だった、なんて…知らなかった…」


真剣なレクスの表情と声に…その場にいた全員が、レクスの方を見て、固まった。

──……そんな沈黙を切り裂くように、タスクが叫んだ。


「ちょ…っ、嘘だろおぉぉおぉおおぉおぉぉおっ!!?」
「…うるさい、タスク」


耳を押さえ、レクスが呟く。