独眼狼ーワンアイウルフー




「なぜ我々をランブル荒野から退かせたのですか?正直…私には理解出来ません」


アルバートからの問いに、ウェゲナーは微笑んで応えた。


「君がそう思うのも当然だね。…でも、これで良いんだよ」
「……どういう事ですか?」


よく分からないウェゲナーの言葉に、アルバートは首を傾げる。


「私も詳しく聞きたいです〜。ウェゲナー大佐ぁ」


レオナも、ウェゲナーを催促するように呟いた。

一度頷き、ウェゲナーが話し始めた。


「私は今回のランブル荒野での戦闘の目的を…“戦い”とはおいていないんだよ」


アルバートとレオナは目を点にする。

ウェゲナーは言葉を続けた。


「あくまで今回は君達…ゲンブとスザクの力を、ジーンデーン軍の人間に知らしめるための戦いだった…という事だよ」
「なぜそんな事を?」


疑問に思った事を、アルバートは素直に口にした。

ウェゲナーは小さく笑う。


「そうした方が精神的に疲労感を与えられるだろう?そうすれば、機械獣の動きも自然と鈍くなる」