独眼狼ーワンアイウルフー




『ま…待て!!まだ聞いてないんだよっ!!』


タスクがゲンブの後を追おうと、ベアを走らせようとした時……


『やめるんだ、タスク』


ベアに搭載されている通信機から、タスクを止める声が響く。

……それは、霧兎の声だった。

タスクが呟く。


『団長…』
『今のまま挑んでも、負けるだけだよ』
『だけど…っ!!』


タスクが悔しそうに声を張ると、霧兎は諭すように語りかけた。


『……今は我慢するんだ、分かったね?』
『………っ』


霧兎の言葉に従い、タスクは歯を食いしばり…拳を握った。


『……じゃあ、最後に一つ。教えてやるよ…祐』


ゲンブの歩くスピードを変えないまま、アルバートが呟いた。


『俺は…弥生の、昔の知り合いだ。……お前の母の事も、父の事も…よく知っている』
『父さんと…母さんのっ!!?』
『あぁ、そうだ。…もしお前がゲンブを倒せたなら全部、話してやるよ』


その言葉とベアを残し、ゲンブは立ち去って行った……。