独眼狼ーワンアイウルフー




「…くそっ、青二才が調子に乗りよって!!」


マグナルはマクスウェルの態度を許せないらしく、机に拳を叩きつける。

報告に来た兵士は、自分はどうすれば良いか分からず視線を泳がせている。

それに気づいたウェゲナーが兵士に声をかけた。


「報告ご苦労。もう下がっていいですよ」
「あ……は、はい!!失礼しましたっ!!」


兵士は慌てて敬礼をし、部屋を後にした。

まだ腹がたっているマグナルに、ウェゲナーが声をかける。


「まぁ、少し落ち着きなさいマグナル中佐」
「…分かっています。しかし、マクスウェル少佐のあの態度はどうにかしないと…」


マグナルの言葉に、ウェゲナーが小さく笑う。


「それは無理だろう。彼は自分の愛する人の為なら何でもしようとするからね…まぁ、まだ若い証拠さ」
「……はぁ」


釈然としないまま返事をするマグナルに、ウェゲナーは、また小さく笑いながら呟いた。


「…これからは、スフィンクスにそう負担をかけなくても済むからね」
「まさか…あの2体が完成したのですか!!?」


目を見開いて声を張るマグナルに、ウェゲナーが頷いた。


「これで我が軍の勝利は決まったようなものだよ、マグナル中佐」