独眼狼ーワンアイウルフー




ふむ、と唸りウェゲナーが視線をマクスウェルに向けた。


「しかし、マグナル中佐の言う事も分かるんだよ。マクスウェル少佐」


マクスウェルに向けられた、ウェゲナーの視線は少し鋭い。


「せめてケルベロスかグリフォンを撃破する時間ぐらいは有った、と思うんだがね」
「…………。」


マクスウェルは応えない。

そのマクスウェルの態度に痺れを切らしたマグナルが再び怒声をあげようとした時、会議室の扉が小さくノックされた。


「入りなさい」


ウェゲナーが言うと、敬礼をして1人の兵士が入って来た。

兵士が声を張る。


「ティファナ少尉が戻られました」


その言葉を聞きマクスウェルが兵士に問いかける。


「…ティファナはどこに?」
「部屋に戻ると仰っていました」


そこまで聞くと、兵士の横をすり抜けて、マクスウェルが会議室から出ようとした。


マクスウェルを止めようとマグナルが声を荒げた。


「マクスウェル少佐!!どこに行くつもりだ、話はまだ終わっては…」
「部屋に戻ります。…処罰するおつもりなら、ご自由にどうぞ」


そう言い残し、マクスウェルは会議室から出ていった。