独眼狼ーワンアイウルフー




何の事かレクスが考えていると、コハクが呆れたように呟く。


「…あの時言ったでしょ説教は後でね、って」
「……あ…」


レクスが思わず声を漏らした。

そう、確かにあの時…スフィンクスと戦う前にコハクが言っていた。


「忘れたとは言わせないよ?」


コハクが大袈裟に指を鳴らし始める。


「覚悟は出来てる?」
「…………。」


自分に止める権利は無いとばかりに、黙りこくるレクス。

それを見て、コハクがレクスの頭をこづいた。


「…なーんて、説教する訳ないでしょ。でも……」


言葉を止め、コハクがレクスの目を見つめた。