独眼狼ーワンアイウルフー




ルイが部屋を出た後、コハクの側にある椅子に座ろうとしたレクスの目にある物が写った。


「……写真…?」


それは、コハクの部屋の中心にあるテーブルに置かれた2つの写真立て。

レクスはテーブルに近づき、1つの写真立てを持ち上げた。

それに写っているのは、コハクと見た事のない3人の姿。


…コハクの隣にいる、レクスより少し年上ぐらいの髪の長い少女。

…髪の長い少女の後ろに立つ、髪を短く切った女性。

…コハクの後ろに立ち、その肩に手をのせている体躯の良い男性。

4人全員が黒髪。


そして、4人全員が笑顔で幸せそうに見える。

写真を見つめていたレクスの後ろから、小さく声が響いた。


「…それ、あたしの家族だよ」


レクスが振り返ると、目が覚めたのだろう…コハクが体を起こしていた。