独眼狼ーワンアイウルフー




今のオペレーター室の雰囲気は、いつもと違うものだった。

いつもはパソコンと向かい合って作業をするオペレーターが数十人いるが、今はいない。

ケビィンの息子であるオペレーターのイルムも、いない。

オペレーター室にいるのは霧兎とケビィン、そしてレクスの3人だけである。


…いつもの様に椅子に霧兎が座っているが、いつもと違いへらへら笑っていない。

ケビィンも腕を組んで、霧兎の机に軽く腰を下ろしているがその表情は硬い。

レクスもラシェード平野での事をまだ考えているらしく、うつ向いている。


沈黙を切り裂くように、霧兎が口を開いた。


「…なぜ、呼ばれたのか…。分かっているね?レクス」
「………。」


レクスは黙って頷いた。

霧兎が机の上で手を組んだ。


「ラシェード平野での戦いは、スパイダーである程度見させてもらったよ…。あれはどういう事だい?レクス」
「……それは…」