スフィンクスが消えていった空を見つめていたレクスの口から、不意に言葉が溢れた。
「……コハク…」
自分の口から出た言葉にレクスは目を見開く。
「コハク…!!」
もう一度少女の名前を口にし、レクスはコックピットから飛び出した。
グリフォンの側に駆けていく途中で、常に腰に差してある銃を引き抜く。
倒れているグリフォンのコックピット付近に銃弾を撃ち込み、コックピットをこじ開けた。
コックピットに乗り込んだレクスは、コハクの姿を見つけその肩を揺らす。
「…コハク、コハク大丈夫か!!」
コハクの頭からは頬にかけて、血が垂れていた。
その血の流れを止めるように、レクスは掌でそれを押さえた。
…それからタスク達がケルベロスとグリフォンの姿を見つけ駆け付けるまでの間。
レクスはただコハクの傷口から溢れ出る血が止まるように、ずっと掌で押さえ続けた…。


