独眼狼ーワンアイウルフー




「…………。」


ゼノスの言葉に反応したのはマクスウェルだった。

少し眉をつり上げ、黙ったままゼノスを睨む。

ウェゲナーが机の上で両手を組んだ。


「…どうしてスフィンクスを戦場へ行かせようと思うのかな?」
「今、ジーンデーン軍唯一の陸用特殊型機械獣ケルベロスは片足を失っています。次の戦いで陸用機である“スフィンクス”が戦場に出れば、多少の無理をしてでも出撃して来る筈…」
「つまり、そこを狙ってケルベロスを撃破すると。……なるほど、面白い」


ウェゲナーが少し顔を上げ、マクスウェルに視線を向けた。


「…と言う訳で、私はゼノス中尉の提案を受け入れようと思うのだが…それで良いかね?マクスウェル少佐」
「……それを、ウェゲナー大佐が望むなら」
「ありがとう、マクスウェル少佐。ではティファナ少尉に使いを……」
「大佐」


通信機に手をかけようとしたウェゲナーを、マクスウェルが止めた。