記憶率0%




走って教室を出て、前も見ずに廊下を突き進む。



怖い…


怖い怖い怖い怖い!



忘れられてく。

みんなから、あたしが無くなっていく。



その時だった。



《ドンッ!》



誰かに思いっきりぶつかってしまった。



「いたた…。ごめ…なさ…あ!」



やばい!

先生だ。



「コラァ!廊下を走っちゃいかんだろう!」



うわー

やっぱり怒られた。



「すみません…」


「それに…」



先生はあたしを睨んで、こう続けた。



「他校生は入って来てはいけない決まりだ!わかったら、とっとと自分の学校に戻れ!」


「…えっ?ちが…」


「言い訳は結構!こっちの友達に制服を借りたんだな?そんなんじゃごまかせんぞ。」


「……!」