勇人がいれば、大丈夫な気がした。
なにがあっても、大丈夫って…
《ガラガラ…》
そんな気がした。
だけど、やっぱり現実は重かった。
「おっす、勇人!」
「おう、はよー。」
クラスメートの男子が勇人にあいさつすると、後ろに隠れるようにして教室に入った私と目が合った。
あっ…
やばい…この目…
「勇人、もしかして彼女?えー、なになに?名前なんてーの?」
やっぱり…
忘れられてる。
昨日はクラスの男子1人だったのに、違う男子にも忘れられたんだ。
「ちげぇーよ。そんなんじゃねぇんだって。」
「勇人…ごめん。あたし…やっぱり…っ。」
そこまで言うと、涙がこぼれそうになったので、急いで後ろを向いて走り出した。


