記憶率0%




「よぉ!」



少し照れながら、あいさつをしてきた、その正体は…



「…勇人!?えっ?なに?どうしたの?」



予想だにしていなかった突然の来客に、テンパるあたし。



「いや、なんつーか…、一緒にガッコ行かね?みたいな。」


「えっ?あ、う…ん、いいけど…」


「うっしゃ!じゃ、行こうぜ。」



くしゃっと目を細めて子供っぽく笑う勇人。

なんだか胸がこそばゆい。



「う、うん。」



あたしはなんとか返事をして、後について行った。



勇人の明るめの茶髪が、風に遊ばれて、時折ふわふわと揺れる。

しばらくは黙ったまま歩き、勇人の茶髪を眺めていた。


そして、なんとなく、前を歩く勇人に、あたしは話しかけてみた。