『…―なさい。朝ごはん出来てるわよー?』



下の階から、お母さんがあたしを呼ぶ声で目が覚めた。



「ふぁーい…」



きっと聞こえてはいないであろう返事をして、リビングへと向かう。



「おはよー。」


「はい、おはよう。ほら、さっさとご飯食べちゃって。遅刻しちゃうわよ。」


「うーん…」



あたしは、まだ寝ぼけ眼な目をこすって、こんがり焼けたトーストに手をつけた。





お母さんは、バリバリのキャリアウーマンで、朝早くから夜遅くまで働いてる。

毎日、忙しそうにしている。

今も、家中をせかせかと動き回って、洗濯や掃除をこなしている。



お父さんはというと、不況の荒波にのまれてリストラにあい、現在就職活動中。

お母さんと同じで、毎日かなり忙しそう。