「で、まじでどうしたんだよ?」



しばらくして泣き止んだあたしに、勇人がきいてきた。



「勇人も気づいてないの?」


「…?なにが…?」



やっぱり、あたし以外は誰も気づいてないんだ。

…どうして?



「あたし、みんなに忘れられていってる…。先生にも、クラスメートにも、隣のクラスの友達にも…」


「…は?どういうことだよ?忘れるって、なんで…?」


「わかんないよ!…ただ、あたしが忘れられていってるってことも、みんな忘れてるの。現に勇人も、気づいてなかったでしょ?」



あたしが伏し目がちの状態でポツリ、ポツリと言うと、勇人は少し声を大きくして言った。